帰国生入試における「小論文」の意味とは
こんにちは。留学館KIKOKU塾です。
KIKOKU塾の生徒さんの中には、「小論文が苦手で受講を始めた」という方もいらっしゃいます。帰国生入試では多くの場合小論文が課されますが、数年間日本から離れている帰国生にとっては、日本語で文章を書くこと自体が大変な作業ですよね。
海外経験者をたくさん抱えたいのならば、外国語能力で合否を決めれば良いのでは・・・と思ってしまいますが、なぜ、多くの大学は帰国生入試に「小論文」を課すのでしょうか。今回は、帰国生入試における「小論文」の意味合いについて考えてみたいと思います。
「小論文」で、高等教育を受けるための基礎力が試される
なぜ小論文を課すのか。その答えは、「大学での勉学に耐えうる学生かどうかを判断するため」です。
大学は高等教育機関であるため、高校までとは違って内容が専門的になります。当然、高い理解力や表現力、それらを活かすための教養が必要です。大学では、教科書や講義で専門的知識を得て、それをレポートや答案上で駆使しながら文章を書くという機会が多いです。期末試験も、論文形式で出題されることがあります。日本語で十分な小論文が書けないとなると、大学での研究においてかなり苦労することになります。
また、基本的に大学の教員は研究者であるため、個々の学生の教育にかけられる時間は限られています。いくら個別フォローがしっかりしていると宣伝している大学でも、学生のレポート課題や試験対策にまで付き合ってくれることはないでしょう。そうなると、大学は入学前から学生に「高等教育を受けるための基礎力」を求める必要があります。そして、その能力を試すのに適しているのが「小論文」なのです。
重要なのは、「知性」を感じさせる小論文が書けるかどうか
では、大学は受験生の書いた小論文から、具体的に何をはかっているのでしょうか。
重要視されているのは、「知性を感じるかどうか」です。
一般的に大学受験では、文系なら【英語・国語・社会】、理系なら【英語・数学・理科】が入試で課されます。これらの科目で知識を試されるため、小論文では異なる能力を試されているのではと考えてしまいがちですが、実は小論文においても、「知識」が重要なのです。
例えば日本と中国の関係を論じる問題で、A 君は、「両国の関係は悪化しているように思えるが、私の中国人の友人たちは日本のことを悪く思っていない。」といった趣旨のことを述べ、自己の体験を中心に述べました。一方でB君は、「歴史的問題や領土問題などが原因となり、両国の関係は改善されていない。しかし、経済的部分でのつながりは強く、また爆買いという言葉が流行ったように、訪日観光客は増えてきている。これらのことを考慮すれば関係悪化は好ましくない。」と、その背景や対策を述べました。果たしてA君とB君の答案は、どちらが高く評価されるでしょうか。
もちろん書き方にもよりますが、評価が高くなる可能性が高いのはB君でしょう。A君の答案は、自己の経験を述べている点では評価できますが、友人レベルの話では知識や教養があるとは言えません。一方でB君は、歴史や経済の知識、さらには時事知識も述べています。これらの知識が正確であれば、採点者はB君に知性を感じ大学での勉学に堪えられると判断するでしょう。
「個性的な答案になっていれば良い」と誤解している受験生は多いです。しかし、自己の体験談ばかりでは、学術論文を当然としている大学の教授陣が魅力を感じることはありません。個性や独創性は、あくまで一般的な知識や教養があってこそ成立するものです。
これらのことを考えると、小論文で求められる能力としては次の4つが挙げられます。
① 教養(社会や理科の知識、時事問題の知識、漢字や言葉の知識など)
② 分析力(設問の意図、問題点の抽出、背景の展開など)
③ 論理力(説得的な構成、矛盾のない構成など)
④ 表現力(文法や熟語の使い方、慣用句などの活用)
入試小論文に向けた対策方法
では、上記の力を養うにはどのような対策が有効でしょうか。
◆まずは学校の勉強をしっかり
ソーシャルスタディやサイエンスなど、英語での学習は大変ですが、やはり知識を得らえる科目は大事にしていきたいものです。また、ニュースや新聞に目を通すことも大切です。これらは学校生活を中心にして得られるものですから、一般的に高校生に求められる姿勢です。並行して、現代社会や日本史、理科総合の教科書を読むことも効果的です。
◆おすすめは「現代文」の勉強
効果的であるとはいえ、海外滞在中に社会や理科の教科書まで読み込むのは時間的にも精神的にも余裕がないかと思います。また、読書も有効ですが、自分で選ぶことによって読むジャンルが限られ、知識が偏ってしまいます。その点、現代文のテキストであれば、 ジャンルが様々であるため多様な知識が身に付きます。また、ほとんどが著名な筆者による文章であるため、入試に出題される文章に出会う可能性もあります。
◆多くの小論文の問題に取り組むことも必要
志望校の過去問だけでなく、様々な大学の問題に取り組み、その中で知識を増やしていくことが有効です。一つ一つの問題を徹底的に調べ上げることで、知識も増えていきます。KIKOKU塾では、受講生一人一人に合わせた小論文対策を行っています。オンラインによる受講が可能ですので、ぜひご活用ください。
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これらの対策を考えると、勉強を始めるのは早ければ早いほど良いです。その分知識も増えますし、知性が上がっていきます。
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